『赤ちゃん学』の講座で考えたこと〜色彩環境〜

今日は午前中、地元区役所の会場で開催された「赤ちゃん学」の講座へ。

母校玉川大学で、赤ちゃんの言葉と認識の発達のしくみを明らかにするための様々な研究がおこなわれている赤ちゃんラボ所属、(正式には、玉川大学脳科学研究所応用脳科学研究センター心の発達研究部門所属)岡田浩之教授の100分間の講義です。

講義内容で印象的だったのは、岡田教授の激しい自分ツッコミ・・・
ではなくて(笑)、以下の3つ。


まず
対称性推論について
※以下、『対称性推論は言語学習のタマゴかニワトリか:ヒト乳児とチンパンジーの直接比較』より引用
ヒトの非論理的であるが効率のよい思考の背景に、本来一方向でしか成り立たないA→Bの関係を逆も成立すると推論してしまう対称性推論を行うバイアスがあると言われている。対称性推論は、ことばと指示対称の関係を理解し語意推論をするために必須である。


それから、
心の理論の発達と公平性・互恵性の関連について
・・・これは、子どもがどのように「人に親切にする」ことを学ぶのか、なぜそうするのか、という内容での様々な研究と考察。人がどのように考えているか(感じているか)を考える能力について、とてもわかりやすい事例があり大納得。これを知っているか否かで、育児、保育に関わる人すべての『気持ちの余裕』が全然違ってくるはず。無駄にイライラしなくてすむはず!


後半には、岡田教授がおもちゃ会社の開発に携わっていることから、
アンパンマンはなぜ赤ちゃんに好まれるのか
というテーマのお話もありました。



そして最後の質疑応答の時におっしゃっていた言葉に、これまでの疑問がスッキリ。

「赤ちゃんが、感情的に好むというのではなく、単にわかりやすいから反応するだけのことです」

「ですから、そういう観点で月齢に応じて最も反応しやすい色や形の提案を(おもちゃ会社に)させてもらっているのであって、このおもちゃで遊んだから頭が良くなるとか賢くなるということではありません」



・・・これまでわたしは、「赤ちゃんは原色が好きなんだよね」という会話が、どうも気になって仕方なかったのです。なぜかというと、少なくともシュタイナー教育で大切にしていること〜本意ではありませんがすごく簡単に言ってしまうと、幼いうちは母の胎内にいる時と同じように柔らかな環境の中で育てる、つまり淡い色彩の中に包まれるような環境を整える、早いうちに目覚めさせない〜というものと、真逆の発想だったからです。

写真は、典型的なキッズスペース例と、米国シリコンバレーで見学したシュタイナー教育の学校の幼児クラス。
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赤ちゃんは視力(色彩識別力)が弱いので、ハッキリとしたもののほうが見えやすい。新生児がいちばん認知できるのは白と黒の市松模様のようなもの。妊婦さんの乳首の色が濃くなるのも、赤ちゃんが目標物をすぐに見つけられるため。生後すこしずつ、次第に赤などの原色を目で追うようになり、ほかの淡い色なども認識していくと言われています。

これはわたしのまったくの個人的な感覚ですが、「赤ちゃんは原色が好きだから、原色のカラフルな遊具やおもちゃで部屋をいっぱいにしてあげる」というのは、やっぱり違和感を持ち続けることになりそうです。でも、淡い色だけが良くて、赤や緑や青などのハッキリした色がダメということではありません。色そのものに、良いも悪いもありませんよね。自然界はくすんだ色、鮮やかな色、様々なトーンで彩られています。それが自然なことです。

わたしたち大人のとらえかた、子どもへの色の与えかた(規制のしかた)が偏りすぎていないか、あるいはあまりにも考えずにいないか、ということを、肩の力を抜いて今一度見直してみたいと思いました。

わたしが保育の環境設定でも、自分の住環境でも最も大切にしたいのは、何色を置くべきか否か、ということではなくて、
全体が調和しているかどうか。美しいかどうか。です。

自然素材だけでまとめられた優しそうなお部屋でも、ただ集めただけというようなところには関心を持てなかったりします。逆に、たとえ強烈なショッキングピンクがメインのお部屋でも、細部に至るまで差し色なども考え尽くされ、調和のとれた空間であれば、わたしはぜひ子どもに見せたいし、そこで高揚する感覚をぜひ味わってほしいと思います。


これは学生の時、当時のわたしにとって趣味の本としては大出費でしたがどうしても欲しくて思い切って購入し、大切に持ち続けている大好きな本。古代から行われてきた色彩を利用したヒーリングについてと、とっても素敵なお部屋の写真がたーくさん詰まっています。
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※以下、解説より
「カラーセラピーの基本原理、すなわちチャクラシステム(身体の精妙なエネルギーセンター)と光に含まれる虹の7色について、わかりやすく解説。次いで全ベーシックカラーによる効果と、色が気分をリフレッシュして高揚させたり、バランスをとって落ち着かせる仕組みを詳しく説明していきます。」
「カラーセラピーの基本原理と、色彩&インテリアデコレーションへの現代的アプローチを組み合わせる方法がわかります。」


・・・とは言え、読み込んでいるわけではなくて。ただ眺めているだけで幸せな本です(笑)。日本人の、というか、わたし自身が培ってきた「おりこうさん」な色彩感覚に比べて、断然ぶっとんでいて、とてつもなく美しかったりして、とにかく衝撃でした。



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ところで、赤ちゃんラボはわたしが卒業した翌年に開設されたため、詳しいことはよく知らないものの、かなり面白そうだなあ〜と以前から気になっていて。今回の無料講座を知った1月に、参加条件が【赤ちゃんのいるパパ&ママ対象】にも関わらず強気で電話したのでした!

「子どもはいませんが、保育士なのでとっても興味がありまして・・・」と申し込みを希望したところ、若干渋られたものの(笑)OKが出ました。さらに、自分の他にも誘えば興味がある教育関係の人がいると思い、そういう人たちを誘っても良いかどうか聞いたら、それは「申し込みがたくさん来ていて席がないので」という理由でNG。しかし今日行ってみたら・・・空席が目立ちます。まだまだ、余裕で人が入れる状況。
とても有益で面白い内容だったので、妊婦さんとか、教育関係者、学生など、対象をもっと広くしたらいいのになあ〜もったいない、と思ってしまいました。主催が区の児童支援の課だから、告知上そうせざるを得ないのかもしれません。
でも、無料でこんな学びができるなんて、すばらしい!そして、赤ちゃんの世界ってすごい!!現役ではないけれど、今後も「保育士」使わせていただきます♪


今年で10周年の玉川大学赤ちゃんラボは、これまで1500人以上の赤ちゃんの協力によって、発達に関する幅広い研究をされてきた機関です。
生後0ヶ月〜30ヶ月の、研究協力できる赤ちゃんを常時募集されているとのこと。

ご興味ある方は、ぜひ以下のホームページ『赤ちゃんラボ登録方法』をご覧になってみてくださいね!

http://www.tamagawa.ac.jp/brain/baby/06_entry/entry.html
by rapisblue2 | 2014-03-29 20:42
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